小説:所有するもの(1/3)
2008 / 07 / 23 ( Wed ) 19:45:22
例のアレです。
-魎月-さん、飴坊さん、その他もろもろ、7月7日の殴魔集会にて望んでくださった方々全員に捧げます。 トリックスター0より、狸羊、18禁小説三部作です。 読んでくださる方は、追記へどうぞ。 所有するもの(1/3) ←今記事 所有するもの(2/3) 所有するもの(3/3)
-----------------------------------------------------------------
【所有するもの】 1.女 ――カラン。 (おや?) 呼び鈴の音。扉に目をやったラクーンは、珍しいタイプの存在に驚く。 (女……ねぇ) 珍しいことがあるものだ。 「ようこそ、Café:ハイラへ」 ラクーンは営業スマイルを浮かべた。 「お名前を教えてくだされば、最初の一杯はサービスしますよ?レディ」 客人は……若いけれど、少女の域は抜け出したかのようなその娘は……ぽつり、と答える。 「シープ」 「シープさんですね。私はラクーン。約束どおり、お好きなものを一杯サービスしますよ」 ラクーンは彼女の方にメニューを渡す。喫茶店だから一通りのコーヒーは揃っているし、軽食もあった。紅茶だって有名どころは押さえている。シープはしばらく考えてから、ハーブティーを注文した。 「寒かったでしょう?」 シープは答えない。珍しそうに店内を見回している。そんなに珍しいものを置いていただろうか。ついつられてラクーンも見回した。途中でシープと目が合う。びっくりした彼女は、思わず目を伏せた。 人見知りするタイプなのだろうか。 ラクーンはハーブティーの準備に取り掛かる。昔、まだ喫茶店を開いたばかりのころ、用意したメニューだった。男しか来なくなった今は、頼む者は滅多にいないけれど、なんとなく残してあった。棚を見れば、乾燥させたマリーゴールドがある。綺麗な金色が出るこの紅茶は、見た目にも彼女を喜ばせてくれるだろう。 「どうぞ」 渡すと、シープは唇を動かす。よく聞こえなかったが、おそらく“ありがとう”と呟いたのだろう。 「熱いので気をつけて」 シープはこくり、と頷いた。 可愛らしい娘だった。桃色の三つ編みが印象的である。流行っているのか、彼女のような髪型をした冒険者は多かったが、彼女が一番似合っていると思う。 (女ねぇ) ラクーンは無礼にならない程度に彼女を観察した。 紅茶が熱いのか、ふうふうしながら飲んでいる。なんだかその様は可愛らしかった。何口かどうにか啜り、ほう、と息をつく。気分が落ち着いたのか、また店内の観察を始めた。 シープの目が壁にかけてあるリンゴの絵に留まった。 「それは常若のリンゴという絵なのですよ」 「じょう……じゃく……?」 「常に若い、という意味。つまり、いつまでも瑞々しさを失わないという、伝説の林檎ですよ」 「へぇ……」 シープは立ち上がると、絵の前まで向かった。 ふわふわの服に身を包んでいるから判りにくいけれど、抱きしめればその身体はきっと細いだろう。そういえば最近ご無沙汰なんだよな、とラクーンは思う。この喫茶店には、男しかこない。そしてそのほぼ全てがラクーンを求めてくる。お金には困っていないゆえに新しい客を求めているわけでもなく、たまに来る新顔が、大抵は常連の紹介だった。その全てが彼を求めての客。冒険も悪くはないが、様々な顔を持つ他の冒険者たちをいただいているほうが、娯しかった。たまに、いただかれることもあったが……。 「お腹、空いた……」 戻ってきたシープがそう呟いた。 「軽食もありますよ。どれかいかがですか?」 再びメニューを渡す。今度はシープはサンドイッチを頼んだ。 そういえば最後に客が来たのはいつだっただろうか。毎日店を片付けて裏庭の菜園の面倒をみたり優雅に本を読んだり。特にすることもなく、この上なく静かな日々が流れていた。この喫茶店の最大の魅力溢れるメニューが、まさかラクーン自身だということに、シープは気付かないだろう。 サンドイッチを出すと、シープはまた「ありがとう」と呟いた。今度は聞こえる声だ。はぐはぐ食べている。その様が、また可愛い。 ……抱いてみようか。 ラクーンは不意の思いつきに、唇の端をゆがめる。 女なんて面倒なもの、と敬遠してきた。身体に残る分、しつこい。物語にはそんな女しかいない。あれが真実だとは思っていないが、たまに来る客たちの話を聞いていると、なかなか苦労しているようだった。 (用は、教育次第ですよね) かつて教師だった頃を思い出す。若い女に辟易してしまってやめてしまったが。思えばそれからだ、女を遠ざけ、男を求めだしたのは。 「シープ」 「ひゃい?」 呼ぶと、サンドイッチを加えたまま顔を上げる。その表情に、最初に浮かべていた緊張は見て取れない。人見知りかと思ったが、そうでもないらしい。 「いや……食べてからでいいですよ」 シープは微笑む。 (ま、わたしに絶対服従ってことで。どうやって教え込もうか) よく考えれば、女を抱いたことなどないのだが……本能に身を任せれば大丈夫だろう。生身の裸など見たことはないから、それなりに自分の身体は興奮してくれるに違いない。 「シープ、あなた……」 言いかけて、ラクーンはやめる。 「ところで、キノコでお茶を作ったのですよ。まだ試作なのですが、よければ飲んでみてもらえませんか?」 「キノコのお茶……?」 シープが頷いたので、ラクーンは早速用意を始める。 そのキノコは、冒険者の一人に教えてもらったものだ。ポプリダンジョンに埋まっているキノコで、睡眠薬にも使われる不思議なキノコ。眠れぬ夜にでも使うといい、とその発明家は笑った。別の冒険者は言う。まあ、眠れぬ夜は俺が眠れるようにしてやろう、と。 「どうぞ」 シープはちっともラクーンを疑う気配を見せない。やはりふうふう冷ましながら、キノコのお茶を一啜りする。シープの顔が歪んだ。 「どうしました?」 「美味しくない・・・・・・」 どうやら、苦すぎるらしい。今にも泣きそうな彼女に、ラクーンは飛びっきりのお菓子を出してあげた。ハロウィンキャラメルだ。その異常なほどの甘さは、どうやらキノコのお茶と合うらしい。甘みに瞳を輝かせながら、シープはキノコのお茶を飲み干した。 「これがあったら、飲めると思う」 シープはにっこり微笑んで、カップを返す。ラクーンは頷くと、ハロウィンキャラメルの包み紙も一緒に引き取った。 キノコの効能は思ったより早く出てきた。ラクーンと他愛ないお喋りに興じるうち、彼女はその場に突っ伏して眠ってしまった。何かうにゃうにゃ言っているから、きっと彼女本人はまだお喋りを続けているつもりなのだろう。 (こんなに簡単に堕ちるものですかね……?) ラクーンは彼女をひょいと抱きかかえると、奥の部屋まで運んだ。寝台にどさりと投げ出す。 キノコのせいか、ぐっすり眠っている。どうやらこのキノコのお茶は、他の客にも使えそうだ。ラクーンの頭に、狙っている客の顔が幾つか浮かび上がる。でもまあ、それはまた今度の話。今は目の前の女に集中することとしよう。 唇の端にマヨネーズがついている。サンドウィッチを食べたときに付いたのだろう。まるで、子供みたいだ、とラクーンは笑う。身をかがめて唇を寄せ、そのマヨネーズを舐め取った。彼女の唇は柔らかかった。 (腫れぼったいわけでもなく、ただ柔らかい、そういうものですか) 服の中に、素早く手を差し入れる。胸は、まるで吸い付くような感触をラクーンに与えた。吸い付きたくなる衝動が湧き上がってきて、苦笑する。どうやら女に興味がなかった自分にも、女の身体に対する興味はあるらしい。男のサガというやつなのだろう。ラクーンは、もう一度彼女の唇を奪う。口唇を割り、舌を絡めた。 長いキスだった。ようやく唇を離すと、シープが目をぱっちり開けた。 「へ?」 目と目が合う。ラクーンは思わずたじろいだ。シープは、思いっきり息を吸う。 「く、苦しかった……」 キノコの与える眠りは深く純粋だが、簡単な外的衝動で破られてしまうようだった。 シープはまず、ラクーンを見た。次いで、周りを見回した。そして、自分が寝台に横たわっていることに気付いた。こくびをかしげる。その仕草に、ラクーンは胸の鼓動が跳ね上がるのを聞いた。構わず、再び唇にむしゃぶりつく。なんだかもう、このまま苛めてしまいたい。女を抱いたことはないけれど、そんなに男を抱くのと変わらないだろう。うっかり入れるところを間違わなければ。 苦しいのか、唇を塞がれたシープは手足をばたばたさせ、うーうー唸っている。ラクーンは唇を離すと、微笑みかけた。 「鼻で息をしたらどうですか?」 「あ、そっか」 シープは納得する。 次のキスは、彼女は暴れたりはしなかった。ただ、なすがままにされている。唇を離し、舌に絡めるよう言って、再び与えると、今度は言われた通りにした。おおよそ彼女に反抗するという概念はないのかもしれない。面白くなってきて、ラクーンは喉の奥でくつくつ笑う。ああ、こんな想いをしたのはいつぶりだったろうか。 ラクーンは大抵は、客の相手を余裕を持ってやっているか、余裕ないほどまで追い詰められているかのどちらかだった。心のどこかには冷静さがあるか、あるいはゼロかだ。もちろんそれも十分愉しいのだが、今回は別の娯しさがある。 「抵抗しないのですか?今からわたしはあなたを抱こうとしているのですよ?シープ」 ラクーンは彼女の上にまたがる。 「……潰さないで」 シープは、見当違いのことを言う。それを、ラクーンは強引に了解のしるしと取った。 「喫茶店に来てこういう目に遭うとは思ってなかったでしょうが……わたしは、こういう人なのですよ」 まず、トップスを脱がした。先ほど躊躇した胸に、むしゃぶりつく。 「あんっ!」 シープがくすぐったさそうに身をよじる。 ラクーンは彼女の動きを封じた。つまり、両腕を上げさせて、彼女の頭の上で手首を押さえたて固定したのだ。ふと、ベッドの近くに紐があることに気付いた。前に使ってそのままにしておいたやつだ。ラクーンはそれで彼女の手首を縛る。 「やぁっ……く……っ」 荒々しく乳房をもみしだき、乳首を口に含む。舌で転がしたり甘噛みしてやると、シープは面白いように啼いた。ふと、彼女は経験があるのだろうか、と訝った。すぐに、そんなことはどうでもよいことだと思い直したが。 次いで、首筋を舐めてやる。たまにキスも与え、そうして柔らかな身体を隅々まで撫でた。男の身体とは違う、女の身体。ラクーンはスカートを捲り揚げると、太ももに口付けた。強く吸い、後を残す。こんなところに“所有のしるし”を残せるのも、女だからだろう。骨ばっていない、吸い付くような肌と質感の太ももを持つ、女だから。 「くすぐったいよ……」 「くすぐったさは、快感になる一歩手前なんですよ。知ってました?」 ラクーンは彼女の秘所にそっと手を触れた。やはり彼女は初めてではないと、決定づける。そこはもう十分に濡れており、女の色香を放っていた。つ、と押すと、柔らかくへこむ。同時にシープの身体がびくん、と震えた。 ラクーンは、下着をずらすと、いきなり中に指を入れた。シープの身体が大きく跳ねる。 「いやああーーっ!」 絶叫は、彼を勢いづける油でしかない。一気に奥まで指を入れると、ラクーンは中でこねくりまわした。指を軽く曲げたり、ぐるぐるねじったり、入れる指を二本に増やしたりすると、いちいちシープは啼いた。 「いいんですか?」 「うあっ……いいよ……どうにかなっちゃうー!」 「素直でいいことです」 邪魔なスカートを脱がせて、秘所に口付ける。小さな芽を吸うように苛めてやると、シープは半狂乱になった。いい感じに開発されているらしい。ラクーンは指を抜く。 「へ?」 「そろそろ本格的に挿れさせてもらいますよ」 ラクーンは己自身を出すと、一気に挿入した。彼女に対して余計な気遣いはいらないと、もうわかっていた。予想通り、彼女の膣は彼をすんなり受け入れたし、彼女の口からは獣じみた歓喜の声が漏れた。 絡み付くような刺激に、ラクーンは感動した。きつすぎるわけでもなく、ちょうどよい力で彼自身を締め上げてくる。このまま一気に放出したいところだが、啼いているシープが可愛くて、ラクーンは彼女を抱き上げた。挿れたまま、自分に背を向けさせるように座らせた。そして空いている手で再び彼女の胸をもみしだき、首筋に舌を這わせる。 「あっ……あっ……いやっ……ふあっ……」 きっと彼女の頭の中は今真っ白だろう。ラクーンもまた、自分の奥底より突き上げてくる射精感に打ち震えた。何度も経験したことなのに、この高まりは何なのか。判るより先に、ラクーンは彼女の中に勢いよく射精した。 接合部から、白濁液が漏れる。シープはひときわ大きな声で啼くと、ぐったりとラクーンに身体を預けた。 彼自身を抜いた頃には、疲れからだろう、シープはぐっすり眠り込んでいた。 (可愛い女) ラクーンは、眠る彼女に最後の口付けを与えた。 (わたしが可愛がってあげましょう、シープ。覚悟することですよ) 寝台に寝かせ、きれいに整えると、ラクーンは店番に戻った。 ----------------------------------------------------------------- 思えばエロ小説なんて、まともに書くのは数年ぶりです。 最後に書いたのは、高校生の頃でしたっけ……。 |
|
|
|
* HOME *
|


